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夏季展
山口蓬春素描展 ―描かれた花卉の美・風景の美―
開催期間:2006年6月8日~8月6日
この展覧会は終了しました。

山口蓬春(1893~1971)は、東京美術学校西洋画科に入学するも日本画科に転科し、以後、戦前から戦後へと時代が激しく移り変わるなかで「新日本画の創造」をめざし邁進し続けました。近代的な感覚による新しい日本画の可能性を追究しながらも、その生涯を通じて貫かれていたのは、伝統や古典を重んじ、写生や技法の研究等、基礎的なことを大切にする心であったといえます。
日本画の制作では、その画材の性質上、まず対象を写生し、次に小下図、大下図を作り、それか ら本画制作へ入るという、何段階かの過程を経て絵づくりを進めていきます。特に、日本画における写生について蓬春は、「洋画のデッサンとは違い、寫生そのものが目的ではなく、完全なタブロウを作るための基礎工作である」「寫生は、作者の觀たまま感じたまま、知ったままを、そのまま殘らずそこへ描き込んだものでなければ、完全な寫生と言うことは出來ない。」(山口蓬春『新日本画の技法』昭和26年より)と語っています。つまり写生(素描)は、本画制作への出発点となり、その線や色彩は、画家が最初に対象を前にしたときの感動をそのまま伝えているといえます。素描には、本画の丁寧な仕上げの段階では隠れてしまう、あるがままの画家の姿がしばしば現わされているのです。
本展では、普段目にすることの少ない素描や下図約50点余りを出品いたします。それらに観られる「花卉の美・風景の美」を通じて蓬春芸術の真髄に触れていただく絶好の機会になるかと存じます。

主な展示作品

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山口蓬春 素描《薔薇》
  年代不詳
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山口蓬春 素描《山百合》
昭和23年(1948)
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山口蓬春 素描《北京風景》
昭和18年(1943)
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山口蓬春 素描《枯山水(苔寺)》
昭和38年(1963)
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山口蓬春 《枇杷》
昭和31年(1956)
※7/3~8/6まで展示