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春季展
色・いろ・イロ ―蓬春作品とコレクションに観る日本の色―
開催期間:2007年3月29日~6月3日
この展覧会は終了しました。

山口蓬春記念館では、企画展「色・いろ・イロ―蓬春作品とコレクションに観る日本の色―」を開催いたします。
山口蓬春(1893-1971)は、東京美術学校西洋画科に入学するも日本画科に転科し、以後、伝統的な技法を基盤としつつ、常に時代感覚を意識した新日本画の世界を創造していきました。特にその色彩表現においては独自の世界を構築したともいえ、「色彩画家」、「カラーリスト」とも形容されました。また、蓬春の著書『新日本画の技法』[昭和26年(1951)]では、自身の日本画に対する考え方を顕著に表していますが、そのなかでも色彩や絵具については多くの頁を割いており、"色"に対する強い探究心を窺い知ることができます。そして蓬春の"色"とは色価(ヴァルール)の研究はもちろんのこと、古くから日本の伝統的な絵画(日本画)に用いられてきた岩絵具の美しさを最大限にまで活かした結果であるともいえます。
岩絵具は、原料となる岩石や鉱物等を粉砕して作られる細かい粒子状の絵具です。もともと天然に得られる色の数は決して多くはありませんが、同じ原石であってもそれぞれの産出地や自然環境によってその色彩は微妙に異なり、また、同一の原石から作られた絵具でも粒子の大きさによって明るさや色あいが異なります。そのため、扱い方によっては豊富なバリエーションが生まれ、画家それぞれの個性が際だつ画材ともいえるのです。
本展覧会では、岩絵具の"色"をテーマに、蓬春作品と残された画材類をご覧いただきながら蓬春絵画を特徴づける色彩表現を探ります。また蓬春コレクションや当館所蔵作品についても合わせてご紹介することで蓬春作品とそれを取り巻く美術品の"色"によるコラボレーションをお楽しみいただければ幸いです。

主な展示作品

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山口蓬春《花菖蒲》
  金地彩色
  昭和37年(1962)
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山口蓬春《洩るゝ陽》
紙本彩色
昭和36年(1961)
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山口蓬春《新冬》
紙本彩色
昭和37年(1962)
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李朝瑠璃釉丸壺
朝鮮・李朝時代(19世紀)
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山口蓬春《春野》
絹本彩色
昭和6年(1931)