初冬特別展
「山口蓬春と福田平八郎 ―響き合うモダニスト・カラリスト―」
開催期間:2008年10月11日〜12月23日
この展覧会は終了しました。このたび、山口蓬春記念館では平成20年度初冬特別展「山口蓬春と福田平八郎―響き合うモダニストとカラリスト―」を開催いたします。
山口蓬春(1893-1971)と福田平八郎(1892-1974)は、それぞれ東京画壇、京都画壇を代表し、戦前から戦後にかけて日本画に新境地を拓いた作家です。活動の拠点は離れていましたが、二人には共通する時代感覚がありました。
昭和5年、二人は六潮会のメンバーとなり、その後10年間にわたって展覧会や研究会などの活動を共にしました。流派を超えた集りの中でお互いに研鑽しあうこの会は、二人にとって大いに刺激となりました。その後、画廊主催展の最盛期にあたる昭和20-30年代に、二人は兼素洞の百二会や清流会、三越の彩交会などの日本画巨匠展に出品を重ね、戦後の日本画ブームを支えました。戦前より二人の間に芽生えていた友情は、これらの活動を通じて生涯にわたって続きます。
当館には六潮会時代の合作や平八郎による蓬春宛書簡など、二人の交流を示す資料が残されています。殊に昭和7年から34年までの20通に及ぶ平八郎の書簡からは、お互いが触発されながら日本画研究を重ねていたことや、それぞれの感性に対する敬意や信頼の念を読み取ることができます。
本展ではモダニスト・カラリストと呼ばれた二人の作品と交流に焦点を当て、それぞれが生み出した清新な美をご紹介いたします。