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hoshun_autumn2010.jpg 山口蓬春記念館 平成22年度 秋季展
山口蓬春と吉田五十八 ―日本画家と建築家のコラボレーション―
開催期間:2010年8月12日〜10月11日
この展覧会は終了しました。

山口蓬春記念館は、日本画家・山口蓬春(1893-1971)が昭和23年(1948)から亡くなるまでの約23年間を過ごした邸宅であり、既存の木造2階建て家屋を自邸として購入後に画室をはじめとした増改築を建築家・吉田五十八(1894-1974)が手掛けました。
蓬春と五十八は、大正4年(1915)に東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、ともに他人より倍の在学期間を経て大正12年(1923)に卒業しました。以来、蓬春と五十八は生涯親しく交流を続け、五十八は、蓬春の自宅や画室を設計するだけでなく、自らが設計した建造物の内部に蓬春の作品を用いるなど、二人の間には芸術を通じた強い結びつきがありました。そして蓬春の亡き後、その墓石の設計を行ったのも五十八でした。絵画と建築の違いはあるにせよ、二人はまさに同時代を生きた芸術家であり、同志でもありました。その二人によって造られた旧山口蓬春邸は、芸術家同士の一つのコラボレーションともいえるのです。
また平成3年(1991)に当館が開館する際には、建築家・大江匡(1954-)が従来の木造建築を活かしつつ近代性を兼ね備えた美術館として改築を行いました。それにより当館は、日本画家と二人の建築家の感性が世代を超えて融合した場所ともなったのです。
本展では、画家の邸宅としての空間に焦点をあて、五十八が増改築した非公開の和室「茶の間」、「桔梗の間」を特別一般公開し、この地で生み出された作品をその空間とともに展観することで"創造の場"としての旧山口蓬春邸の意義とその魅力に迫ります。

吉田五十八(よしだ・いそや) 明治27年(1894)-昭和49年(1974)
建築家。東京に生まれ東京で歿。大正4年(1915)東京美術学校図案科入学、大正12年(1923)卒業。大正14-15年(1925-26)に欧米への遊学を経て、伝統的な数寄屋建築を近代化した独自の作風を確立した。熱海杵屋左衛門別邸[昭和11年(1936)、以後増改築)で名声を得、東京歌舞伎座の改築[昭和26年(1951))、日本芸術院会館[昭和33年(1958))、五島美術館[昭和35年(1960))、大和文華館[昭和35年(1960))、在ローマ日本文化会館[昭和37年(1962))などを設計した。昭和29年(1954)日本芸術院会員、昭和39年(1964)文化勲章受章。


新画室で談笑する蓬春と五十八

茶の間(特別公開)

桔梗の間(特別公開)

新画室

二階座敷(旧画室)土門挙撮影

主な展示作品

≪静物(遼三彩鉢と果物)≫昭和31年
≪静物(遼三彩鉢と果物)≫昭和31年

≪静物(遼三彩鉢と果物)≫昭和31年
≪静物(遼三彩鉢と果物)≫昭和31年
≪佐与利≫昭和26年

≪佐与利≫昭和26年
≪佐与利≫昭和26年
≪洩るゝ陽≫昭和36年

≪洩るゝ陽≫昭和36年
≪洩るゝ陽≫昭和36年
≪白蓮木蓮≫昭和33年

≪白蓮木蓮≫昭和33年
≪白蓮木蓮≫昭和33年