
山口蓬春記念館 平成25年度 夏季展
山口蓬春といきもの
-描かれた生命の美-
2013年5月31日(金)~7月31日(水)
この展覧会は終了しました。
鳥や動物、植物など「いきもの」を描く行為は太古の昔から現代まで続き、東洋では花鳥画として、人物画・山水画と並ぶ主要なジャンルの一つに位置づけられています。そしてその多くの作例は時代を越えて人々を魅了し、後世の作家たちの創作活動をする上での手だてにもなっています。
日本画家・山口蓬春(1893-1971)は、そのような伝統的な画題を学びながらも新しい日本画を模索していきました。著書『新日本画の技法』(昭和26年)の中で、従来の花鳥画には無理に不自然な鳥を配するような悪習慣があることを指摘し、「構図の為に殊更に鳥を配置するようなことをせず、たとえ鳥が無くても、自然感の出るものは、強いて鳥を配する必要はないのである。」と述べています。
その後、鳥だけではなく魚や動物などのいきものたちを題材にした作品を発表した蓬春は、主に植物と古陶磁を題材にした静物画の制作を経て、晩年には再び画面に小鳥たちが登場する格調高い作風を展開させます。そこには伝統的な画題にあえて挑戦する蓬春の成熟した境地を窺うことができるのです。
本展覧会では、山口蓬春の日本画作品及び模写・素描、また彼が蒐集し愛蔵したコレクションを展示し、山口蓬春と「いきもの」という観点からその画業をも探ります。
主な展示作品
![]() 山口蓬春 《南嶋薄暮》 昭和15年(1940) |
![]() 山口蓬春 《佐与利》 昭和26年(1951) |
![]() 山口蓬春《新冬》 昭和37年(1962) [後期のみ] |
![]() 山口蓬春 《望郷》小下絵 昭和28年(1953) |
![]() 山口蓬春 《飛潭》 昭和3-4年(1928-9) [前期のみ] |
![]() 山口蓬春 《首夏》 昭和4-5年(1929-30) [前期のみ] |
![]() 山口蓬春 《石鯛》素描 昭和21年(1946) |
![]() 山口蓬春 《さざえ》素描 |
![]() 山口蓬春 《コリ―》素描 昭和8年(1933) |
![]() 《白鷺図》 呂紀派 中国・明時代(16世紀) [後期のみ] |
![]() 《五彩龍文筆皿》 「大明萬暦年製」銘 中国・明時代(16-17) |
![]() 《漢瓦白馬俑》 中国・唐時代(7-8世紀) |