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山口蓬春記念館 令和2年度 夏季企画展
山口蓬春が描く花鳥の美 ―自然への愛の深さと、観察の力―
2020年8月1日(土)~11月23日(月・祝)

この展覧会は終了しました。

戦後、昭和22年(1947)に山口蓬春(1893-1971)は、疎開先の山形県赤湯町(現・南陽市)から引き揚げ、風光明媚な神奈川県葉山町に移り住みます。翌年、御用邸近くの一色三ヶ岡に居を構え、23年間この地で制作に励みました。蓬春は温暖で自然豊かな葉山を、心の全てが素直に解放される場として、この地で新しい日本画の創造に邁進しました。

山口邸の庭園には、蓬春夫妻が丹精を込めて手を入れた四季折々の草花が咲き誇り、作品の題材としても登場します。特に紫陽花は蓬春が好んで描いた花の一つです。蓬春は日々庭園に向かい写生帖と鉛筆を手に取り多くの花々を描き留めました。写真家の土門拳(1909-1990)は、蓬春がくわえ煙草で草花に向かう姿をとらえています。

日本画の制作は、はじめに写生を行い、続いて下図を描き本制作へと移ってゆきます。つまり、写生は本制作への出発点となり、対象を前にしたときの画家の最初の感動が表れているといえます。さらに、蓬春は、「日本画の古典的なものを、充分に研究しなければ、結局は新しい感性の働きで、正しく新しい素材を見出す事は出來ない」(※)と述べており、蓬春自身も古典を学ぶことに余念がありませんでした。蓬春が蒐集した尾形光琳の《飛鴨図》をはじめとする優れた古美術品は、新日本画創造の源泉の一つであったと言っても過言ではありません。

本展では、蓬春の自然への愛の深さが伝わる日本画や、臨場感溢れる写生と下図、ならびに東京美術学校時代から続く古典模写と蓬春が愛蔵したコレクションを展示し、伝統的な花鳥画を踏まえつつ、新しい日本画を創造した蓬春の画業の一端をご紹介します。

※山口蓬春『新日本画の技法』昭和26年[1951]、美術出版社、14頁

主な展示作品

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山口蓬春
《まり藻と花》
昭和30年
[前期のみ]
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山口蓬春
《紫陽花》
昭和34年
[前期のみ]
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山口蓬春
《夏影》
昭和38年
[前期のみ]
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山口蓬春
《紫陽花》写生
[前期のみ]
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山口蓬春
《夏の花》
昭和45年
[後期のみ]
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山口蓬春
《春野》
昭和6年
[前期のみ]
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山口三郎(蓬春)模
《蓮白鷺図》
大正7-8年
原本:王淵 中国・元時代(13-14世紀)
[後期のみ]
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呂紀派
《白鷺図》
中国・明時代(16世紀)
[後期のみ]
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尾形光琳
《飛鴨図》
江戸時代(18世紀)
[後期のみ]
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庭園にて酔芙蓉を写生する蓬春
昭和23年頃
撮影:土門拳