山口蓬春記念館

山口蓬春記念館

  1. Instagram
  2. X
  3. Facebook
  4. JR東海生涯学習財団
  5. Language

令和5年度 山口蓬春記念館 初冬企画展 旧山口蓬春邸国登録有形文化財登録記念 山口蓬春と吉田五十八

令和5年度 山口蓬春記念館 初冬企画展
旧山口蓬春邸国登録有形文化財登録記念

山口蓬春と吉田五十八

2023年12月2日(土)~1月28日(日)

山口蓬春記念館の主屋と画室は、令和5年(2023)2月27日、国登録有形文化財に登録されました。また、画室につきましては、完成から今年で丁度70年目を迎えます。山口蓬春記念館・公益財団法人 JR東海生涯学習財団では、これらを旧山口蓬春邸としての当館の魅力を再確認・再発信する機会と捉え、初冬企画展「山口蓬春と吉田五十八-旧山口蓬春邸有形文化財登録記念-」を開催いたします。

当館は、日本画家・山口蓬春(1893-1971)が昭和23年(1948)から亡くなるまでの約23年間を過ごした旧宅で、既存の木造2階建て家屋を蓬春が自邸として購入後、画室をはじめとした増改築を建築家・吉田五十八(1894-1974)が手掛けました。

蓬春と五十八は、大正4年(1915)に東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、ともに大正12年(1923)に卒業します。以来、蓬春と五十八は生涯親しく交流を続け、五十八は、蓬春の自宅や画室を設計するだけでなく、自らが設計した建物の内部に蓬春の作品を用いるなど、二人の間には芸術を通じた強い結びつきがありました。絵画と建築の違いはあるにせよ、二人はまさに同時代を生きた同志であったといえます。そんな五十八が蓬春の好みに応じて増改築した旧山口蓬春邸は、二人の芸術家によるコラボレーションともいえるのです。

本展では五十八が設計した戦前、戦後の画室に焦点をあて、五十八が創造した空間で、蓬春がいかなる名作を生み出したかを展観しながら蓬春と五十八の交流の軌跡を辿ります。また、作品とともに、蓬春や五十八の美意識が息づいた建物や時に作品のモティーフとなった庭園など、蓬春芸術の源泉ともいえる旧山口蓬春邸の魅力をこの機会にご堪能いただければ幸いです。

吉田五十八(よしだ・いそや)明治27年-昭和49年(1894-1974)
欧米への遊学を経て「そこで生まれ、そこの血をうけた人間でなければ建てられない建築がある」と考え、日本の伝統的な数寄屋建築を近代化した独自の作風を確立し、日本の建築様式を現代に蘇らせた功労者。山口蓬春邸のほか、鏑木清方邸(東京・新宿)、山川秀峰邸(神奈川・二宮)、梅原龍三郎邸(東京・新宿)、吉田茂邸(神奈川・大磯)、東京歌舞伎座の改築(東京・銀座)、在ローマ日本文化会館(イタリア・ローマ)、成田山新勝寺大本堂(千葉・成田)、中宮寺本堂(奈良・斑鳩)、五島美術館(東京・世田谷)等を設計、皇居宮殿造営顧問(昭和38-43年〔1963-68〕)を務めた。昭和29年(1954)日本芸術院会員、昭和39年(1964)文化勲章受章。
本展の
みどころ
1. 葉山・山口蓬春邸を特別公開!
「桔梗の間」「茶の間」のほか、非公開の「書庫」(入口部分)を特別公開します。また、五十八が手掛けた建物を実際に体感していただくとともに、合わせて葉山・山口蓬春邸の設計図(東京藝術大学蔵)の複製を展示します。
2. 葉山・山口蓬春邸の原点ともいえる東京・山口蓬春邸の魅力に迫ります!
「画家の邸宅の基本型」といわれた東京・山口蓬春邸の全貌を写真資料や実際に飾られていた蓬春愛蔵のコレクション、制作された作品とともにご紹介します。ぜひ、比較してみてください。
3. 蓬春と五十八のジャンルを超えた交流の軌跡をご紹介します!
五十八は、蓬春亡くなった際に葬儀委員長を務めたほか、墓石の設計もしています。二人の交流の軌跡を写真資料や設計図等とともにご覧いただきます。

主な展示作品

img220927-01.jpg
山口蓬春
《南嶋薄暮》
(紀元二千六百年奉祝美術展出品)
昭和15年(1940)
img220927-01.jpg
山口蓬春
《望郷 小下絵》
(第9回日展)
昭和28年(1953)
img220927-01.jpg
山口蓬春
《白蓮木蓮》
(新橋演舞場緞帳原画)
昭和32年(1957)
img220927-01.jpg
《稱讚浄土佛攝受經》天和3年(1683)表装 重要美術品
img220927-01.jpg
ジョルジュ・ルオー《三人の裸婦》1920年代 © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 B0676
img220927-01.jpg
吉田五十八《画室内観パース 複製》昭和28年(1953)頃 原作品所蔵:東京藝術大学 画像提供:東京藝術大学/DNPartcom
img220927-01.jpg
葉山・山口蓬春邸「新画室にて」蓬春と五十八 昭和32年(1957)
img220927-01.jpg
葉山・山口蓬春邸「新画室」内観
img220927-01.jpg
葉山・山口蓬春邸「新画室」外観
img220927-01.jpg
葉山・山口蓬春邸「旧画室」
img220927-01.jpg
葉山・山口蓬春邸「桔梗の間」前庭
img220927-01.jpg
葉山・山口蓬春邸「茶の間」

展覧会のご利用案内

会期:
令和5年12月2日(土)~1月28日(日)

※展示作品は都合により一部変更することがあります。
※今後のコロナ禍の状況により、展覧会開催状況等が変更となる場合がございますので、詳しくは当館ホームページ等でご確認ください。
開館時間:
9:30~16:00(入館は15:30まで)
休館日:
毎週月曜日(1月8日を除く)、12月29日(金)~1月3日(水)、1月9日(火)
入館料:
一般 600円 高校生以下は無料
団体割引 100円割引 20名以上の団体で一週間前までに予約した場合
障がい者割引 100円割引 同伴者1名を含む
連携館割引 100円割引 ※連携館 葉山しおさい公園・博物館(大人券のみ)
    神奈川県立近代美術館 葉山(企画展の一般券・学生券のみ)
年間入館券 1,800円 ※当館展覧会を何度でもご覧いただけるお得な年間入館券1,800円
(発行月から翌年の同月末日まで有効)を発売中)
主催:
山口蓬春記念館・公益財団法人 JR東海生涯学習財団
後援:
神奈川県教育委員会、葉山町教育委員会

展覧会チラシ

A4_omote_210203.png R050105.png

関連イベントのご案内

山口蓬春邸園ツアー

内 容  山口蓬春邸の頃の庭園の様子や「桔梗の間」「茶の間」などの建物について学芸員が
     解説付きでご案内します。普段と一味違う山口蓬春記念館をぜひ、お楽しみください。
日 時  12月2日(土) 各2回 ①11:00~12:00 ②13:30~14:30
会 場  山口蓬春記念館庭園および館内
参加費  無料(ただし、当日の入館券は別途必要)
定 員  先着10名
集 合  開始時間までに入館手続きをお済ませのうえ、正門前にご集合ください。
     ※雨天の場合は、2階座敷に変更します。

展示解説

内 容  展示の見どころを学芸員が解説します。
日 時  毎週金曜日 10:30~(所要時間:約30分)
定 員  先着5名程度
集 合  開始時間までに入館手続きをお済ませのうえ、受付付近にご集合ください。

鎌倉市鏑木清方記念美術館とのコラボ企画「葉山 鎌倉 近代日本画家の旧居跡めぐり」

内 容  日本画家同士、親交があった山口蓬春と鏑木清方。葉山と鎌倉にある記念美術館が
     お得に楽しめる企画を連携開催します。
期 間  令和6年(2024)1月4日(木)~2月27日(火)

※イベント等は中止になる場合があります。最新情報は当館ホームページ・SNSをご覧いただくか、
 お電話にてお問合せください。