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令和5年度 山口蓬春記念館 新春特別展

嗣治と蓬春 二人の見た風景

令和6年(2024)2月3日(土)~3月31日(日)

藤田嗣治(1886-1968)と山口蓬春(1893-1971)とは20世紀という、日本の歴史と美術とが大きく動いた時代に活躍した二人の画家です。

嗣治は明治43年(1910)東京美術学校西洋画科を卒業して間もなく渡仏。乳白色の絵肌に線描する独自の作風を生み出し、日本とパリを制作の活動拠点とする中でパリ画壇での地位を確立していきました。

蓬春は大正4年(1915年)東京美術学校西洋画科に進学しました。その後、日本画科へ転科し同科を首席で卒業後、画壇への華々しいデビューを経て日本画家としての道に邁進しました。

活躍の舞台を異にする7歳差の嗣治と蓬春。その二人の画家の人生が交差するのは、日中戦争から太平洋戦争にかけてのことでした。昭和16年(1941)に設立された大日本航空美術協会において、嗣治と蓬春は発起人として選出されました。翌17年(1942)、二人は同時期にサイゴン・プノンペン、香港、広東などへ派遣を命じられ、4月上旬から6月中旬まで同地域に約3ヵ月にわたって行動を共にしていたのです。

嗣治が昭和17年(1942)から同19年(1944)にかけて蓬春に宛てた書簡6通は山口家によって大切に保管され、現在も記念館に収蔵されています。また、嗣治が広東を訪れた際に描き、蓬春に贈った風景画を、蓬春は丁寧に額装し、戦後も画室に飾るなどして愛蔵していました。

本展覧会では当館最新の調査報告に基づき、蓬春の現地での足取りをたどりつつ、嗣治の書簡から二人の関係性を読み解きます。さらに二人が取材先で描きとめた風景、風物に加えて、嗣治と蓬春それぞれによる明治時代の油彩画の肖像画を展観します。

本展の
みどころ
1. 嗣治から蓬春に宛てた当館所蔵の書簡をすべて公開
当館に収蔵されている、近年解読が完了した嗣治による蓬春宛の書簡をすべて展示公開します。隙間なく紙面にびっしりと描かれた嗣治の絵と文からは、その茶目っ気のある人柄が表れています。
2. 南方風景の制作とその背景
香港に赴いた蓬春は、街ゆく人々の生き生きとした表情やファッションを描いた絵巻《拾香集》を始め、現地の湿潤な空気までも捉えた臨場感溢れる風景画を制作しています。一方で、所蔵館外で初公開となる嗣治の《マレ―風景(カンボジャ風景)》は彼が文化使節の一員として派遣された仏領インドシナでの取材に基づく風景です。作戦記録画とは異なる視点から描かれた、二人の見た風景をご覧ください。
3. 蓬春による東洋の風景を展示
昭和6年(1931)東洋への旅を開始し、台湾や中国各地への赴任を経て東洋美術への憧憬を深めた蓬春。訪れた先々の風光の美を反芻するかのように綴られた蓬春のことばとともに、蓬春の眼にうつった東洋の風景や、かれが愛蔵した東洋美術の品々を展示いたします。

主な展示作品

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山口蓬春
《香港島最後の総攻撃図》
昭和17年(1942)
東京国立近代美術館蔵
アメリカ合衆国無期限貸与
藤田嗣治
《マレー風景(カンボジャ風景)》
昭和17年(1942)年
平塚市美術館寄託
(国際興業コレクション)
(後期のみ)
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 B0712
山口蓬春(右)と藤田嗣治
写真(部分)
昭和17年(1942)
阿部徹雄撮影
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山口蓬春
《北京風景》写生
昭和18年(1943)
山口蓬春
《南嶋薄暮》
昭和15年(1940)
山口蓬春
《拾香集》
(香港スケッチ) 
昭和17年(1942)
(場面替えあり)
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山口蓬春
《ヴィクトリア・ピーク》写生
昭和17年(1942) 
神奈川県立近代美術館
[山口蓬春文庫]蔵
(前期のみ)
山口蓬春
《九龍碼頭》写生 
昭和17年(1942) 
神奈川県立近代美術館
[山口蓬春文庫]蔵
(後期のみ)
山口蓬春
《西貢郊外所見》(スクラップ) 
昭和17年(1942)  
神奈川県立近代美術館
[山口蓬春文庫]蔵
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藤田嗣治
《おことさん》
明治42年(1909) 
平塚市美術館寄託
(後期のみ)
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 B0712
山口蓬春
《女の肖像》
大正元年(1912)頃
(後期のみ)
台湾総督官邸 
揮毫する蓬春(左)と藤田(右)写真 
昭和17年(1942)
6月17日
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藤田嗣治
《横たわる裸婦》
大正15年(1926)
神奈川県立近代美術館
[北川原コレクション]蔵
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 B0712
藤田嗣治
《広東風景図》
昭和17年(1942)
藤田嗣治 
山口蓬春宛書簡 
昭和17年(1942)
3月14日
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藤田嗣治 
山口蓬春宛書簡 
昭和18年(1943)
4月16日
藤田嗣治 
山口蓬春宛書簡 
昭和17年
(1942)頃
猫(『猫の本/A Book of Cats』より)
1930年
マイケル・ジョセフ著
レオナール・フジタ挿絵
大佛次郎記念館蔵
(大佛次郎没後50年記念
事業参加作品)

※所蔵先の記載の無い作品はすべて山口蓬春記念館蔵

展覧会のご利用案内

会期:
令和6年(2024)2月3日(土)~3月31日(日)
前期:2月3日(土)~3月3日(日)
後期:3月5日(火)~3月31日(日) 

※会期中に一部展示替えを予定しております。
※展示作品は都合により一部変更することがあります。
※今後のコロナ禍の状況により、展覧会開催状況等が変更となる場合がございますので、詳しくは当館ホームページ等でご確認ください。
開館時間:
9:30~16:00(入館は15:30まで)
休館日:
毎週月曜日(2月12日を除く)、2月13日(火)
入館料:
一般 600円 高校生以下は無料
団体割引 100円割引 20名以上の団体で一週間前までに予約した場合
障がい者割引 100円割引 同伴者1名を含む
連携館割引 100円割引 ※連携館 葉山しおさい公園・博物館(大人券のみ)
    神奈川県立近代美術館 葉山(企画展の一般券・学生券のみ)
年間入館券 1,800円 ※当館展覧会を何度でもご覧いただけるお得な年間入館券1,800円
(発行月から翌年の同月末日まで有効)を発売中)
主催:
山口蓬春記念館・公益財団法人 JR東海生涯学習財団
後援:
神奈川県教育委員会、葉山町教育委員会
協力:
藤田嗣隆

展覧会チラシ

山口蓬春記念館 令和5年度 新春特別展 嗣治と蓬春 二人の見た風景 R050105.png

関連イベントのご案内

展示解説 毎週土曜日 13:30~(約30分)

内 容  展示の見どころを学芸員が解説します。
日 時  2月3日(土)・10日(土)・17日(土)
     3月2日(土)・9日(土)・16日(土)・23日(土)・30日(土)
     ※2月24日(土)はイベント開催日につき、展示解説はございません。
定 員  先着10名
集 合  開始時間までに入館手続きをお済ませの上、受付前にお越しください。

鎌倉市鏑木清方記念美術館とのコラボ企画 「葉山 鎌倉 近代日本画家の旧居跡めぐり」

内 容  日本画家同士、親交があった山口蓬春と鏑木清方。葉山と鎌倉にある記念美術館がお得に楽しめる
     企画を連携開催します。
期 間  令和6年1月4日(木)~2月27日(火)

第63回 葉山特別見学会

内 容  葉山町にある美術館・博物館を学芸員の解説付きで見学します。
日 時  令和6年2月22日(木) 9:30~14:30
場 所  山口蓬春記念館・葉山しおさい博物館・神奈川県立近代美術館 葉山
参加費  無料
定 員  30名(応募者多数の場合は抽選)
締 切  2月9日(金)
申 込  はがき又はFAXに住所、氏名(ふりがな)、年代、電話番号、イベント名を明記の上、お申込みください。

弥生の呈茶会

内 容  山口邸の佇まいとともに抹茶と季節のお菓子をお楽しみください(学芸員の解説付、1席約20分)。
日 時  令和6年3月16日(土)、17日(日)
     第1席10:00~、第2席11:00~、第3席13:00~、第4席14:00~
場 所  山口蓬春記念館「桔梗の間」
費 用  1席600円(当日の入館券は別途必要)
定 員  1席6名
協 力  葉山町茶道連盟
申 込  2日前までに電話で住所、氏名、電話番号、希望日、人数をご予約ください。

※最新情報は当館ホームページ・SNS等をご覧いただくか、お電話にてお問合せください。