昭和10年、以外の全ての団体と決別し「一個の自由人」となった山口蓬春-。
彼は、昭和13年以来毎年のように台湾や中国、南方の各地に赴きました。
昭和15年制作《南嶋薄暮》の背景となった台湾の海港・淡水を訪れた蓬春は南方の各地に見られる鮮やかな色彩に、殊に感銘を受けていたようです。
この度、当館開館10周年記念企画の一つといたしまして「南嶋薄暮展」を開催し、作品そのものの美しさのみならず、蓬春が初めて目にした異国風景を、現地にて制作された素描や蓬春自ら撮影した写真をとおしてご覧いただく次第です。

山口蓬春《南嶋薄暮》
昭和15年
個人蔵 |

山口蓬春《林本源庭園 素描》
昭和13年 |

山口蓬春《小美の像 素描》
昭和13年 |
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