山口蓬春記念館 平成25年度 春季特別展
自然礼讃
-山口蓬春作品とコレクションに観る四季彩の美-
2013年3月29日(金)~5月26日(日)
この展覧会は終了しました。
自然は、人々に最も身近な美の対象として、また憧憬の対象として古来より愛され、私たちの生活に彩りをそえてくれます。特に日本の四季折々、変化に富んだ自然の美しさは人々の心をとらえ、時代時代によってその風情が芸術のなかに巧みに取り入れられてきました。
山口蓬春(1893-1971)もまた、自然を敬愛し、東洋の伝統的な画題である花鳥画に取り組みながら新日本画創造に向けて邁進し続けた日本画家です。彼は、草木や鳥、獣、花籠や果物を花鳥画の題材としてとらえ、「自然風物の要約であり、象徴」として描いてきました。
「花鳥画の、作品の優劣は、その作家の自然への愛の深さと、観察の力の如何とのみが決定すると謂っていい。」(山口蓬春「花鳥画を描く心」『邦画』4月号、昭和10年〔1935〕より)
蓬春の花鳥画に対する言葉からは、自然への真摯な姿勢と温かいまなざしを読み取ることができます。
一方で、蓬春は自らの創作活動の糧として古美術品の蒐集にも力を入れていました。様々に意匠化された自然の姿は蓬春を魅了し、その普遍的なデザインによって今なお変わらぬ美しさを湛えています。
本展では、蓬春の自然へのまなざしから生まれる清澄な絵画世界をご紹介するとともに、彼の愛蔵したコレクションを通じてその美意識をも探ります。
![]() 山口蓬春 《白梅》 昭和32年(1957) 水野美術館蔵〔後期のみ〕 |
![]() 山口蓬春 《留園駘春》 昭和33年(1958) 水野美術館蔵〔後期のみ〕 |
![]() 山口蓬春 《静物》 昭和33年(1958) 水野美術館蔵〔後期のみ〕 |
![]() 山口蓬春 《夏蔭》 昭和37年(1962) 水野美術館蔵〔後期のみ〕 |
![]() 山口蓬春 《新冬》 昭和37年(1962) 山口蓬春記念館蔵〔前期のみ〕 |
![]() 山口蓬春 《夏影》 昭和38年(1963) 山口蓬春記念館蔵〔前期のみ〕 |
![]() 山口蓬春 《庭》 昭和40年(1965) 個人蔵 |
![]() 《ケイトウ蒔絵硯蓋》 嘉永2年(1849) 山口蓬春記念館蔵 |
![]() 大谷歓到 《秋草蒔絵平棗》 昭和時代(20世紀) 山口蓬春記念館蔵 |
![]() 《古染付花鳥文瓶》 中国・景徳鎮窯 明時代(17世紀) 山口蓬春記念館蔵 |
![]() 《古染付八駿図鉢》 中国・景徳鎮窯 明時代(17世紀) 山口蓬春記念館蔵 |