山口蓬春記念館 平成25年度 新春展
描かれた器
-山口蓬春の眼差しと表現-
2014年1月8日(水)~3月23日(日)
この展覧会は終了しました。
山口蓬春(1893-1971)は、東京美術学校西洋画科に入学するも日本画科に転科、以後、伝統的な技法を基盤としつつ古今東西の芸術を吸収しながら時代感覚を意識した作品を生み出していきました。戦後もたゆむことなく時代に即した新日本画の創造を模索していくなかで、昭和30年(1955)以降に繰り返し描かれたのが陶磁器をモティーフにした静物画でした。
昭和28年(1953)に吉田五十八設計による画室が新築されると、そこには飾り棚が設けられ、常に愛蔵の陶磁器が並べられていました。時にそれらを手に取り、花を挿し、果物を盛りながら蓬春は、「色彩の交響的な効果」や、「質感や量感の把握」を試み、対象そのものの美や外光との関連から生まれた感覚的な美を追究していったのです。
本展では、蓬春が愛蔵した陶磁器とそれらが描かれた作品を併せて展示することで、陶磁器に向けられた蓬春の、画家として蒐集家としての眼差しと美意識を探ります。
山口蓬春 《瓶花》部分 大正12-13年(1923-24) |
《白地鉄絵笹耳瓶》 中国・磁州窯 元時代(13-14世紀) |
山口蓬春 《静物》 昭和36年(1961) |
《三彩小鉢》 イラン・ニシャプール出土 9-10世紀頃 |
山口蓬春 《ペルシアの鉢》 昭和39年(1964) |
《白地彩画飛鳥文鉢》 イラン・トランスオクシアナ出土 9-10世紀頃 |
山口蓬春 《瓶花》 昭和40年(1965) |
《黒釉鉄絵玉壺春瓶》 中国・磁州窯 宋-金時代(12-13世紀) |
山口蓬春 《まり藻と花》 昭和30年(1955) |
山口蓬春 《静物(遼三彩鉢と果物)》 昭和31年(1956) |
山口蓬春 《枇杷》 昭和31年(1956) |
藤本四八撮影 「鉄砂草花文壺を手に取る山口蓬春」 昭和35年(1960) |