山口蓬春記念館

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山口蓬春記念館 令和7年度 秋季特別展

令和7年度 山口蓬春記念館 秋季特別展

中村岳陵と山口蓬春-逗子と葉山の二人

会期:令和7年9月20日(土)~令和7年11月16日(日)
前期:9月20日(土)~10月26日(日)
後期:10月28日(火)~11月16日(日)

中村岳陵(明治23年[1890] - 昭和44年[1969])は12歳で江戸琳派の流れをくむ野沢提雨に入門、その後、土佐派の川辺御楯に師事します。東京美術学校日本画科では結城素明に学び、大正元年(1912)、同校を首席で卒業。その後大正3年(1914)には速水御舟らと赤耀会を設立しました。

山口蓬春(明治26年[1893]-昭和46年[1971])は大正4年(1915)に東京美術学校西洋画科に進学後、同7年(1918)に日本画科へ転科して松岡映丘に師事、同科を首席で卒業後、映丘を盟主とする新興大和絵会で活躍しました。

中村岳陵と山口蓬春、二人の最初の出会いは 「六潮会」。昭和5年(1930)に日本画の中村岳陵・福田平八郎・山口蓬春、洋画の木村荘八・牧野虎雄・中川紀元、美術評論の外狩素心庵・横川毅一郎を同人として結成された団体で、漢学に造詣の深かった外狩の発案により、作家六人の「六」と中国故事の「六潮一海に注ぐ」を引用し「六潮会」と命名、10年にわたって展覧会、研究会等を開きました。自由な雰囲気の中、会員同士がお互いに学び合うというユニークなグループで、蓬春をはじめとする同人たちにとって有益な研磨の場となりました。この六潮会こそ、岳陵と蓬春が交流を深めた場なのでした。酒宴の席や旅先で画論や古美術談義に花を咲かせる一方で、二人の英才は新しい日本画の方向性や可能性を模索していくのです。

昭和23年(1948)、蓬春は疎開先の山形・赤湯から神奈川・葉山に新天地を求めると、昭和7年(1932)から逗子に居を構えていた岳陵はより身近な存在となりました。当館に残された書簡から、二人は肝胆相照らす間柄となって、仕事上での相談や美術界への働きかけなど、蓬春は兄のような存在の岳陵からの恩恵に浴したことがうかがえます。岳陵は昭和37年(1962)、蓬春は昭和40年(1965)に文化勲章を受章するなど、二人は戦後も日本画壇に大きな功績を残しました。

古典の学習から始まり、時代の変化を乗り越えて新しい表現を追究した岳陵と蓬春。本展では戦前から戦後へと大きな変遷を辿った二人の日本画に加えて、六潮会での合作や交流を示す書簡などを展示し、逗子・葉山に暮らした岳陵・蓬春それぞれの個性を探求します。

六潮会会員と 昭和7年(1932) 熱海古屋旅館にて

六潮会会員と
昭和7年(1932)、熱海古屋旅館にて
写真:山口蓬春記念館蔵

(左上から)
横川毅一郎
中川紀元
福田平八郎
山口蓬春(左)
牧野虎雄(右)
木村荘八
中村岳陵
外狩素心庵

本展の
みどころ
1.初公開!蓬春の華麗な屏風絵

これまで未公開だった山口蓬春の屛風絵《梅花紅葉》(昭和9年、青々会第3回展、後期のみ)より「紅葉」をご紹介します

本展の
みどころ
2.岳陵の優美な代表作

伝統的なやまと絵からモダニズム感覚へと展開する岳陵の代表作《白狗》(昭和4年、ローマ美術展覧会、前期のみ)そして《砂浜》(昭和12年、第1回新文展)の古典とモダンの粋をご堪能ください

本展の
みどころ
3.中村岳陵・山口蓬春の交流

岳陵が蓬春に宛てた書簡の主な話題は美術談義でしたが、岳陵の朗らかな笑顔までもが伝わってきます。その流麗な書体と格調高い文体にもご注目ください

六潮版画「風」より《春の微風》 六潮版画「風」より 中村岳陵《春の微風》
昭和11年(1936)神奈川県立近代美術館 山口蓬春文庫蔵
中村岳陵《白狗》 中村岳陵《白狗》
昭和4年(1929)横須賀美術館蔵(前期のみ)
中村岳陵《砂浜》 中村岳陵《砂浜》
昭和12年(1937)横浜美術館蔵
中村岳陵《水邊佳趣》 中村岳陵《水邊佳趣》
大正2年(1913) 葉山町蔵
中村岳陵《雨》 中村岳陵《雨》
大正4-6年(1915-17) 葉山町蔵
山口蓬春《梅花紅葉》のうち「紅葉」(左隻) 山口蓬春《梅花紅葉》のうち「紅葉」(左隻)
昭和9年(1934)国際興業コレクション蔵(平塚市美術館寄託)(後期のみ)
山口蓬春《泰山木》 山口蓬春《泰山木》
昭和14年(1939) 山口蓬春記念館蔵(前期のみ)
山口蓬春《鯉》 山口蓬春《鯉》
昭和14年(1939) 葉山町蔵
山口蓬春《富貴図》 山口蓬春《富貴図》
昭和15年(1940)頃 山口蓬春記念館蔵
山口蓬春《夏の印象》下図 山口蓬春《夏の印象》下図 昭和25年(1950)
神奈川県立近代美術館 山口蓬春文庫
山口蓬春《新冬》 山口蓬春《新冬》
昭和37年(1962) 山口蓬春記念館蔵
尾形光琳《飛鴨図》 尾形光琳《飛鴨図》
江戸時代 山口蓬春記念館蔵(後期のみ)

展覧会のご利用案内

会期:
会期:令和7年9月20日(土)~令和7年11月16日(日)
前期:9月20日(土)~10月26日(日)
後期:10月28日(火)~11月16日(日)
※会期中に一部展示替えを予定しております。
※展示作品は都合により一部変更することがあります。詳しくは当館ホームページ等で
ご確認ください。
開館時間:
午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:
毎週月曜日(10月13日、11月3日を除く)、10月14日(火)、11月4日(火)
入館料:
一般 600円 高校生以下は無料
団体割引 100円割引 20名以上の団体で一週間前までに予約した場合
障がい者割引 100円割引 同伴者1名を含む
連携館割引 100円割引 当日観覧券のみ
※連携館 葉山しおさい公園・博物館(大人券のみ)
     神奈川県立近代美術館 葉山(企画展の一般券・学生券のみ)
年間入館券 1,800円 ※当館展覧会を何度でもご覧いただけるお得な年間入館券1,800円
(発行月から翌年の同月末日まで有効)を発売中)
主催:
山口蓬春記念館・公益財団法人JR東海文化財団
協力:
河合正朝
後援:
神奈川県教育委員会、葉山町教育委員会

展覧会チラシ

秋季特別展チラシ(サムネイル)

関連イベントのご案内

展示解説

内 容  展示の見どころを学芸員が解説します。(予定)
日 時  9月27日(土)、10月13日(月・祝)・24日(金)、11月7日(金)・16日(日) 13:30~(約30分)
定 員  先着10名
集 合  開始時間までに入館手続きをお済ませの上、受付付近にお越しください。

日本画家によるワークショップ

内 容  庭の植物をスケッチし、オリジナル作品を制作。講評会で描写のポイントを学びます。
講 師  吉田 愛(日本画家、当財団日本画教室講師)
日 時  10月4日(土) 13:00~16:00
参加費  2,000円(材料費・入館料を含む)
定 員  先着12名(高校生以上)
申 込  インターネットからのお申込み(募集開始日:8月11日)

記念講演会

内 容  岳陵・蓬春と親交のあった河合正朝氏が、二人の目指した日本画の行方を語ります。
講 師  河合 正朝(出光美術館 理事)
日 時  11月3日(月・祝) 13:30~15:00
参加費  1,000円(入館料を含む)
定 員  先着20名
申 込  インターネットからのお申込み(募集開始日:9月10日)

邸園ツアー

内 容  主屋や庭園、吉田五十八設計による画室などを学芸員がご案内します。
日 時  11月2日(日) ①11:00~12:00 ②13:30~14:30
参加費  無料(当日の入館料は別途必要)
定 員  先着10名
申 込  開始10分前までに入館手続きをお済ませの上、正門前にご集合ください。
※雨天時は集合場所が変更となる場合があります。受付でご確認ください。

深秋の呈茶会

内 容  葉山茶道連盟の先生方によるお点前で、季節のお菓子と抹茶をどうぞ(1席約20分)。
日 時  11月1日(土) 第1席10:30~/第2席11:30~/第3席13:30~/第4席14:30~
場 所  山口蓬春記念館
費 用  1席1,000円
定 員  各回6名
申 込  インターネットならびにお電話(募集開始日:10月1日)

山口蓬春 生誕日

日 時  10月15日(水)
内 容  来館者全員にポストカードをプレゼント。

※イベント等は中止になる場合があります。最新情報は当館ホームページ・SNSをご覧いただくか、お電話にてお問合せください。