山口蓬春記念館

山口蓬春記念館

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作品紹介

戦前から戦後へと時代が激しく移り変わるなかで「新日本画」の創造をめざし邁進し続けた蓬春は、伝統的な技法を基盤としつつも広く内外の芸術を吸収し、「蓬春モダニズム」と形容される独自の世界を作り出していきました。本リストでは「いつの時代にも、新しい日本画の創造と言うことを心掛けて、果敢に前進しようとする作家が居なければ、芸術は進展しないのである。時代や社会は常に進み動いて居るのであるから。」(『新日本画の技法』昭和26年〔1951〕)と語った蓬春の代表作をご紹介いたします。

当館では、蓬春の研鑽の偲ばれる素描(下図を含む)を約900点所蔵しています。蓬春は日本画における写生について、「観たまま感じたまま、知ったままを、そのまま残らずそこへ描き込んだものでなければ、完全な写生と言うことは出来ない。」(『新日本画の技法』昭和26年〔1951〕)と述べていますが、素描に描かれた線や色彩には画家が最初に対象を前にしたときの感動がそのまま表現されているとともに、本制作に向けての重要な出発点であるともいえます。本リストでは、『山口蓬春素描集』(山口蓬春記念館、平成22年〔2010〕)所収の作品を移りゆく四季毎にご紹介いたします。

蓬春は、古美術品愛好家として知られており、昭和34年〔1959〕から昭和43年〔1968〕まで文化財専門審議会の専門委員を務めていました。また、収集されたコレクションは自らの作品の題材として取り上げるなど、蓬春芸術のなかでも重要な意味を持っていたといえます。当館には生前蓬春が収集したコレクションを約700点所蔵していますが、そのなかから代表的なコレクションを本リストにてご紹介いたします。