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●山口蓬春記念館 平成18年度 新春特別展
山口蓬春コレクション展
―蓬春が愛した東洋の美―

開催趣旨:
この度、山口蓬春記念館では新春特別展「山口蓬春コレクション展―蓬春が愛した東洋の美―」を開催いたします。
山口蓬春(1893-1971)は、東京美術学校西洋画科に入学するも日本画科に転科し、以後、伝統的な技法を基盤としつつ、常に時代感覚を意識した新日本画の世界を創造していきました。
一方で古美術品の収集家としても知られ、文化財専門審議会の専門委員(昭和34-43年)を務めていた蓬春は、《十二ヶ月風俗図》(重要文化財)や《宸翰 歳中立春》(重要美術品)《稱讃浄土佛攝受経》(重要美術品)をはじめ、古今東西にわたる数々の名品を収集していきました。それらは、時に画室などに飾られるなど愛(め)で慈しまれる存在であるだけではなく、蓬春の創作活動の原動力でもありました。
蓬春は著書『新日本画の技法』(昭和26年)のなかで以下のように述べています。

新日本画の創造には―――
「日本芸術の昇華としての古名画の類を機会あるごとに成るべく多く観ること」が大切であり、「更にその精神と芸術とを分析的に研究し」、「古典としての意義が何處に在るかを正しく理解すること」が必要である。そのためには「単に眼で観るだけでなく、進んでこれを正確に模写し、その技法の機微を体得して、自分のこれから進む新芸術創造の糧にしなければならないのである。」

本展では、蓬春愛蔵のコレクションのなかから日本、中国、朝鮮の絵画や陶磁器のほか、蓬春が自らの研鑽のために行った名画の模写なども合わせてご覧いただきます。それらを通して蓬春が目指した新日本画への軌跡の一端をご理解いただければ幸いです。

展示会名称:
山口蓬春記念館新春特別展
「山口蓬春コレクション展―蓬春が愛した東洋の美―」

会  期:
平成19年1月7日(日)〜3月25日(日) (66日間) 
 ※会期中、一部展示替えを行います。
 前期:1月7日(日)〜2月12日(祝・月) (32日間) 
 後期:2月14日(水)〜3月25日(日) (34日間)
開館時間: 午前10時〜午後5時(但し入館は、午後4時30分まで)
休館日: 毎週月曜日(1月8日、2月12日を除く)、1月9日(火)、2月13日(火)、3月22日(木)

会  場:
山口蓬春記念館
〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2320
TEL:046-875-6094 FAX:046-875-6192


主  催:
山口蓬春記念館・財団法人 ジェイアール東海生涯学習財団


後  援:
神奈川県教育委員会、葉山町教育委員会

企画展入館料 :
一  般 500円     高校生以下 無料
団体割引 50円割引(20名以上の団体で1週間前までに予約した場合)
連携割引 50円割引(連携館の有料入場券所持者)
※連携館:葉山しおさい博物館(当日券のみ)、神奈川県立近代美術館 葉山
年間入館券 1,300円(発行月から1年間有効)


主な展示予定作品

《十二ヶ月風俗図》
《春山訪里》
《十二ヶ月風俗図》
桃山時代(16世紀後半)
伝・土佐光吉(1539-1613) 重要文化財
《春山訪里》
江戸時代(18-19世紀)
浦上玉堂(1745-1820)

 
《白磁緑彩龍文鉢》 《飛鴨図》
《白磁緑彩龍文鉢》
「大明正徳年製」銘 景徳鎮窯
中国・明時代(16世紀)
 
《白磁八角壺》
《白磁八角壺》
銘「祭酒樽」
朝鮮・李朝時代(18世紀)
《飛鴨図》
江戸時代(18世紀初頭) 尾形光琳(1658-1716)
酒井抱一(1761-1829)箱書極

《翡翠》
 
《翡翠》
中国・明時代中期(15世紀)
林良(1436-1487)
 
●山口蓬春記念館 開館15周年記念 初冬特別展
葉山に開花した山口蓬春の芸術
―友情に結ばれた画家と建築家―

開催趣旨:
 このたび、山口蓬春記念館では開館15周年特別展「葉山に開花した山口蓬春の芸術―友情に結ばれた画家と建築家」を開催いたします。
 山口蓬春(1893〜1971)は、東京美術学校日本画科を卒業後、伝統的な技法を基盤としつつ古今東西の芸術を吸収し、戦後は時代感覚を意識した独自の世界を創り出しました。その制作の舞台となったのは、明るい陽光があふれる葉山御用邸近くの自宅兼アトリエでした。
 昭和23年(1948)に当館の地に転居してきた蓬春は、葉山の風光に取材した作品にとり組むようになります。それらは何れも明るくモダンな表現に満ちており、葉山の自然を目の当たりにした蓬春の、純粋な感動と愛着を伺うことができます。
 蓬春が還暦を迎えた昭和28年、待望の新画室が新築されます。戦前の祖師谷の画室につづいて、設計は同窓の吉田五十八によるものです。
 二人は大正4年(1915)に東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、ともに他人より倍の在学期間を経て大正12年(1923)に卒業しました。五十八は、蓬春の自宅や画室を設計するだけでなく、自らが設計した建造物の内部に蓬春の作品を用いるなど、芸術を通じた交流を生涯にわたり続けていきました。二人の間には同時代を生きる芸術家として、同志として、建築と日本画という分野を超えた深い結びつきがありました。
 本展では、建築家・吉田五十八と日本画家・山口蓬春の芸術を通じた交流に焦点をあて、葉山に開花した蓬春の清新であざやかな美の世界に触れていただければ幸いです。
 また、隣接する神奈川県立近代美術館 葉山では、「山口蓬春」展が同時開催され、80点を超える蓬春の代表作をご覧いただけますので、あわせてご案内いたします。

展示会名称:
山口蓬春記念館開館15周年記念初冬特別展
「葉山に開花した山口蓬春の芸術―友情に結ばれた画家と建築家―」

会  期:
平成18年10月21日(土)〜12月24日(日) 
開館時間: 午前10時〜午後5時(但し入館は、午後4時30分まで)
休館日: 毎週月曜日及び11月24日(金)

会  場:
山口蓬春記念館
〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2320
TEL:046-875-6094 FAX:046-875-6192


主  催:
山口蓬春記念館・財団法人 ジェイアール東海生涯学習財団


後  援:
神奈川県教育委員会、葉山町教育委員会

企画展入館料 :
一  般 500円     高校生以下 無料
団体割引 50円割引(20名以上の団体で1週間前までに予約した場合)
連携割引 50円割引(連携館の有料入場券所持者)
※連携館:葉山しおさい博物館(当日券のみ)、神奈川県立近代美術館 葉山


主な展示作品

山口蓬春 《初夏》
山口蓬春 《比良女》
山口蓬春 《初夏》
紙本着色 昭和27年(1952)
山口蓬春 《比良女》
紙本着色 昭和26年(1951)

 
山口蓬春 《海老》 山口蓬春 《さより》
山口蓬春 《海老》 素描
昭和29年(1954) 神奈川県立近代美術館
山口蓬春 《さより》 素描
昭和27年(1952)頃 神奈川県立近代美術館

山口蓬春 《瓶花》
山口蓬春 《さざえ》
山口蓬春 《瓶花》
紙本着色 昭和36年(1961)
山口蓬春 《さざえ》 切手原画
紙本着色 昭和42年(1967) 逓信総合博物館

蓬春と五十八
 
蓬春と五十八
山口蓬春画室(葉山)にて 昭和32年(1957)
 
●山口蓬春記念館 平成18年度 秋季展
山口蓬春と近代日本画壇
―大正・昭和を彩った名匠たち―

開催趣旨:
 この度、山口蓬春記念館では秋季展「山口蓬春と近代日本画壇―大正・昭和を彩った名匠たち―」を開催いたします。当館には、平成2年に山口家より提供を受けた蓬春作品や蓬春が収集した美術品などが収蔵されておりますが、その中には蓬春と同時代に活躍した作家の作品も多く見受けられます。特に、福田平八郎・中村岳陵・木村荘八・牧野虎雄・中川紀元など、昭和5年に蓬春も結成に参加した「六潮会」の同人たちの作品や書簡など、多くの資料が残されており、その交流の深さが伺えます。また、戦前から帝展など中央の画壇で活躍し、昭和25年には日本芸術院会員に任命されるなど、生涯において常に画壇における重要な位置についていたことは、多くの著名な作家たちと知り合うことにもつながりました。
 本展では、そのような近代の美術家たちの作品に焦点を当て、大正から昭和にかけての蓬春の多彩な交友を辿ろうとするものです。

展示会名称:
山口蓬春記念館平成18年度秋季展「山口蓬春と近代日本画壇―大正・昭和を彩った名匠たち―」

会  期:
平成18年8月16日(水)〜10月15日(日) 
開館時間: 午前10時〜午後5時(入館は、午後4時30分まで)
休館日: 毎週月曜日(但し9月18日、10月9日は除く)、9月19日(火)、10月10日(火)

会  場:
山口蓬春記念館
〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2320
TEL:046-875-6094 FAX:046-875-6192


主  催:
山口蓬春記念館・財団法人 ジェイアール東海生涯学習財団


後  援:
神奈川県教育委員会、葉山町教育委員会

企画展入館料 :
一  般 400円     高校生以下 無料
団体割引 20名以上の団体    50円割引(1週間前までに予約をした場合)
連携割引 連携館の入場券所持者 50円割引
※連携館:葉山しおさい博物館(当日券のみ)、神奈川県立近代美術館 葉山
開館記念日10月15日(日)は、個人の方に特別割引をいたします。


主な展示作品

今村紫紅 《雷神図》
吉川霊華 《何仙姑》
今村紫紅 《雷神図》
大正時代

富岡鉄斎 扇子《富嶽図》
富岡鉄斎 扇子《富嶽図》
大正時代
吉川霊華 《何仙姑》
大正11年(1922)

菱田春草 《櫻草之圖》 六曲一双屏風
菱田春草 《櫻草之圖》 六曲一双屏風
菱田春草 《櫻草之圖》 六曲一双屏風
大正時代

牧野虎雄 《芒野原》
森田恒友 《沼風》
牧野虎雄 《芒野原》
昭和12年(1937)
森田恒友 《沼風》
大正時代

山口蓬春 《扇面流し》
 
山口蓬春 《扇面流し》
昭和5年(1930)
 
●山口蓬春記念館 平成18年度 夏季展
山口蓬春素描展
―描かれた花卉の美・風景の美―

開催趣旨:
 山口蓬春(1893〜1971)は、東京美術学校西洋画科に入学するも日本画科に転科し、以後、戦前から戦後へと時代が激しく移り変わるなかで「新日本画の創造」をめざし邁進し続けました。近代的な感覚による新しい日本画の可能性を追究しながらも、その生涯を通じて貫かれていたのは、伝統や古典を重んじ、写生や技法の研究等、基礎的なことを大切にする心であったといえます。
 日本画の制作では、その画材の性質上、まず対象を写生し、次に小下図、大下図を作り、それか ら本画制作へ入るという、何段階かの過程を経て絵づくりを進めていきます。特に、日本画における写生について蓬春は、「洋画のデッサンとは違い、寫生そのものが目的ではなく、完全なタブロウを作るための基礎工作である」「寫生は、作者の觀たまま感じたまま、知ったままを、そのまま殘らずそこへ描き込んだものでなければ、完全な寫生と言うことは出來ない。」(山口蓬春『新日本画の技法』昭和26年より)と語っています。つまり写生(素描)は、本画制作への出発点となり、その線や色彩は、画家が最初に対象を前にしたときの感動をそのまま伝えているといえます。素描には、本画の丁寧な仕上げの段階では隠れてしまう、あるがままの画家の姿がしばしば現わされているのです。
 本展では、普段目にすることの少ない素描や下図約50点余りを出品いたします。それらに観られる「花卉の美・風景の美」を通じて蓬春芸術の真髄に触れていただく絶好の機会になるかと存じます。

展示会名称:
山口蓬春記念館平成18年度夏季展 「山口蓬春素描展―描かれた花卉の美・風景の美―」

会  期:
平成18年6月8日(木)〜8月6日(日) 
※会期中、一部展示替えを行います。
 前期: 6月8日(木)〜7月2日(日)
 後期: 7月4日(火)〜8月6日(日) 
開館時間: 午前10時〜午後5時(入館は、午後4時30分まで)
休館日: 毎週月曜日(7月17日を除く)、7月18日(火)

会  場:
山口蓬春記念館
〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2320
TEL:046-875-6094 FAX:046-875-6192


主  催:
山口蓬春記念館・財団法人 ジェイアール東海生涯学習財団


後  援:
神奈川県教育委員会、葉山町教育委員会

企画展入館料 :
一  般 400円     高校生以下 無料
団体割引 20名以上の団体    50円割引(1週間前までに予約をした場合)
連携割引 連携館の入場券所持者 50円割引
※連携館:葉山しおさい博物館(当日券のみ)、神奈川県立近代美術館葉山館


主な展示作品

山口蓬春 《まり藻と花》
大山忠作 《游》
山口蓬春 素描《薔薇》
年代不詳
山口蓬春 素描《山百合》
昭和23年(1948)

山辰雄 《春を聴く》
山口蓬春 素描《北京風景》
昭和18年(1943)
山口蓬春 素描《枯山水(苔寺)》
昭和38年(1963)

松本榮 《モーツァルト像のある庭園》
 
山口蓬春 《枇杷》
昭和31年(1956)
※7/3〜8/6まで展示
 
●山口蓬春記念館 平成18年度 春季特別展
山口蓬春をめぐるゆかりの作家たち
―日展をささえた清澄な美の世界―

開催趣旨:
 このたび、山口蓬春記念館では春季特別展「山口蓬春をめぐるゆかりの作家たち―日展をささえた清澄な美の世界」を開催いたします。
 山口蓬春(1893-1971)は東京美術学校日本画科を卒業後、大正から昭和にかけての新興大和絵運動の中心であった松岡映丘(1881-1938)に師事し、戦前期には日本画の古典を咀嚼した作風を残しています。一方で、西欧の美術の動向を逸早く取り入れ、戦後にはモダニズムの傾向を示す作品を発表、若い作家たちに大いに感化を与えました。
 昭和25年に日本芸術院会員に任命された蓬春は、日展日本画部の指導者のひとりとして大きな存在となっていました。蓬春はその師である松岡映丘のように画塾をつくることはありませんでしたが、かれのもとには若い画家たちが集まり、蓬春一門のグループが形成され始めていました。蓬春はこれらの後進の画家たちに対して強い指導力を発揮し、戦後の日本画壇をリードしたのです。
 本展では、蓬春が主唱した新日本画の創造の精神を受け継いで日展をささえてきたゆかりの作家たちの作品を集め、戦後の日本画壇にもたらした新しい潮流と清澄な美の世界を顕現します。

展示会名称:
山口蓬春をめぐるゆかりの作家たち ―日展をささえた清澄な美の世界―

会  期:
平成18年4月1日(土)〜6月4日(日) 
開館時間 10:00〜17:00(但し入館は16:30まで)
       休館日 毎週月曜日

会  場:
山口蓬春記念館
〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2320
TEL:046-875-6094 FAX:046-875-6192


後  援:
神奈川県教育委員会・葉山町教育委員会

入 館 料 :
一  般 500円     高校生以下 無料
団体割引 20名以上の団体    50円割引(1週間前までに予約をした場合)
連携割引 連携館の入場券所持者 50円割引
※連携館:葉山しおさい博物館(当日券のみ)、神奈川県立近代美術館葉山館(一般券及び学生券)

主な展示作品

山口蓬春 《まり藻と花》
大山忠作 《游》
山口蓬春 《まり藻と花》 紙本着色
昭和30 (1955)年 山口蓬春記念館蔵
大山忠作 《游》 紙本着色
昭和51 (1976)年 山種美術館蔵
 ※5/2〜6/4のみ展示

山辰雄 《春を聴く》
山辰雄 《春を聴く》 絹本着色
昭和54 (1979)年 山種美術館蔵
 ※4/1〜4/30のみ展示
江守若菜 《映》 紙本着色
平成16(2004)年 作家蔵

松本榮 《モーツァルト像のある庭園》
 
松本榮 《モーツァルト像のある庭園》 紙本着色
平成15(2003)年 作家蔵
 
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